社長コラム

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起業から株式会社に至るまでの軌跡

第10話 雑草

独立して間もない頃、私は事務所を借りるためと有限会社を設立するためにも纏まったお金が必要でした。
ただ時期尚早で事務所や法人化が必要と思っていたのは私だけで自分のその時の状況や展望を考えると、この時に会社を設立していたとしても今のBWは無かったのではないかと思います。

独立したのだから会社(法人格)が必要であると考えた私は事務所を借りるためのお金や法人化するためにもお金を借りることにしました。
借入先は国民金融公庫です。
国民金融公庫からの借入れをするために事業計画やらなんやらで結構書類を作りましたが、結局お金は貸していただけませんでした。

理由は「国民金融公庫のお金を会社の運用資金として当てにしてもらっては困る」とのお答えでした。
断られた理由はもちろん私にあるのでしょうが、せめて提出した資料がどうとか、事業計画がどうとかという理由で断ってもらいたかったと「その時の私」は思いました。
「運用資金として当てにしてはならないのなら、僕は一体何のためにお金を借りるのか? 貯金するなら貸してくれるのか?」私は思わず叫びそうになりました。

時間を掛けて作った資料を返され、どうしてもその答に納得できない私は、「担当の方ともう一度話をさせて頂けませんか?」とお願いをしたのですが、「忙しいので」といって全く相手にして貰えませんでした。
まるで最初から借りれないのが解っていたかのような応対に私は腹立たしさと悔しさでいっぱいでした。

自宅に戻り憤怒の中で、「意地でも事務所を出してやる、もっと稼いで意地でも会社を大きくしてやる、見てろ!」そう心の中で叫んでいました。

今思えば借りれなくて良かったと思います。
あそこで借入れができていたとしたらその後の私のがんばりはなかったのではないでしょうか。
またあの時は腹が立っていたことも今思えばもっともなお話で、事業計画といってもかなり大雑把なものでしたから。

「そう簡単にお金は貸して貰えない」、会社を経営していく中では誰もが経験することです。
金融機関からの借入れもそうですが、会社の資金繰りがキツイからといって必要な時に必要な額が借入れできるかというともちろん「ノー」です。

ただ人は往々にして自分の主義主張が他人に認められないと腹が立ちますが、「なぜ認められないのか?」あるいは「なぜ伝わらないのか?」をあまり考えないような気がします。
むしろ相手を攻撃したり中傷したりしてはいないでしょうか。
冷静になって考えてみれば解ることも、その渦中にあっては自分自身では解らないことが沢山あります。

そんな時、周りの人からの言葉(アドバイス)に素直に耳を傾けることが大事なのではないでしょうか。
この時、私は父からアドバイスを貰いました。
「いつかお金を借りてくださいと言ってもらえるようにがんばりなさい」と。
アドバイスというか気持ちを楽にしてくれる「言葉」、ちょっとした「言葉」で人は考え方や気持ちの持ち方をかえれるのではないでしょうか。

父からそう言われて私には一つの「目標」ができました。
この「目標」はその時も、今も、そしてこれから先も変わらないものとなりました。
その目標は「個人としても会社としても実績と信頼を築き続けること」です。
また「限られた資金で目標を達成させるには?」、「何もないところからお金を作るには?」、本気で稼ごうと思ったのはこの頃からかもしれません。
これまでは「会社ごっこ」をしていたようなものです。

厳しい現実に何度か直面し、叩かれてやっと自分の選んだ道が少しずつ見え、独立心が沸いてきたそんな時期であったような気がします。


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