社長コラム

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起業から株式会社に至るまでの軌跡

第14話 楽

毎月末になると不安でいっぱいです。
「本当に振込みがあるのだろうか?もし入金されなかったら支払が…」。
正社員を雇うだけの勇気もまだなかったのと固定的な売上がまだ少なかったのとで、会社のスタッフは全て契約社員でした。
もちろん契約料が支払えなければ大変なことになってしまいます。
そんな不安から私は「どこまでがんばれば安心できるようになるのだろうか?」ということを考え始めました。
この不安を解消するには「安心できるようになるまで働きまくるしかない!」。
私はなんと「1日36時間説」を思いつきました。
馬鹿げた話ですが、睡眠時間もかなり少なかったので「なんとか睡眠時間を確保すると同時に今以上に売上を上げる方法はないだろうか」と考えてのことでした。
「1日30時間働いて6時間寝る」。
睡眠時間が殆ど無くなりかけていた私にとっては6時間も一気に眠れることがとても得した気分で画期的なことに思えたのです。
28歳の男子としてはかなり愚かな考えです。もちろん私は実行しました。

みなさんのご推測の通り朝晩がいつなのかも解らないし、おかしな時間に食事をしているし、さらに作業中に強烈な睡魔に襲われ目を開けたまま寝ているような状況が出始め、この作業スタイルは2度と採用しないことにしました。
ただ私の持つ不安を解消するためには働くのが1番の特効薬ですから、通常の営業時間は他社との折衝や営業活動あるいはスタッフとの打合せに当て、夜中を自分自身の持っている作業や事務処理に費やすようにしました。
そして僅かながらの睡眠時間をとるようにしました。
夜中の作業が予定通り進まず、通常の営業時間まで掛かってしまい次の日の予定を大幅に変更せざるを得ない場合も多々ありました。
また打ち合わせが「朝一の打合せ」になることがありました。
この「朝一の打合せ」はAM1:00からの打合せのことで、中にはフリーの方以外にも、会社を経営している社長様で「朝一の打合せ」に付き合ってくれる方もいました。
朝一の打合せは妙にテンションが高かったような気がします。

会社の椅子と車が私の寝床となりました。
この時ほど車の便利さを感じたことはありませんでした。
また家で布団で横になって寝ている時に「布団に横になって寝るのはなんて気持ちいいんだろう」と感じたこともありました。

生まれてからずっと両親に不安なく育てて貰い、また働くようになってからは会社からお給料を頂き、28歳まで生活に不安など感じること無く生きてきた私は生まれてはじめて不安を感じました。
「日々ひたすら、がむしゃらに働いているけど毎月の自分の給料は誰も保証してくれない」、「もし自分が倒れたらどうなるんだろう?」、「今の仕事はどうなるんだろう?」。
不安を取り除くためにがんばっているはずなのですが、不安は消えるどころかどんどん大きくなる一方でした。

確かに会社には資本金として払込をしたお金があり売上も上がっていましたが、私は常に飢えていました。
また一緒に仕事をしていたフリーの人の中で特に気の合う方には契約社員として会社に出勤してもらうようにもなっていました。
気が付けば私を含め5人の会社になっていました。
「SOHO」でお仕事をされているフリーの方々や一緒に仕事をしてくれる会社の方々が集まって色々とお話をする機会がこの頃から増え始め、この当時よく言われたのが「大変ですねー」、「かわいそうに…」等々でした。

でも私自身は「消えない不安」を持ちながらも毎日の仕事が楽しくて仕方がない相反する気持ちで、人の倍以上は充実した毎日を過ごしていると自負していたので、周りの人が投げかける言葉は気になりませんでした。
また経営者でなくても誰もが少なからず私と同じ不安を持っているというのは、それ程思い悩まなくても解ることだと思います。
不安を感じ始めてしばらくしてから私は気付きました。

「この不安は一生なくならない不安なんだ」。
そう、私は「人間」なのですから。
大袈裟な表現になってしまいますが、思い悩み、些細なことでも不安になるのが人間です。
ならば不安を抱くのは「自然の摂理」であり「人間である証」なんだ!極端な私はこんな考えから「どんどん悩んでやれ!」、「どんどん進んでやれ!」、「来るなら来てみろ!」、そう思うようになってきました。
一体何に向かって戦いを挑んでいたのかと思われるかもしれませんが、これが結構、私を更に楽しませてくれるようになった考え方であるのは間違いありません。
なんと言っても逆境や苦しい時ほどやりがいを感じて楽しくなるのですから・・・。
誤解を招きそうなので言っておきますが、私は至ってノーマルな人間です。
変わった趣味は無いはずだと自分では思っていますので。

「マイナスのベクトルが大きければ大きいほど、ひっくり返してやればプラスのベクトルも大きくなる!」、そう思うと結構楽しくないですか?たとえ凹んだとしてもどれだけ早く自分のモチベーションを上げられるか、それが私に最も要求されていたことでした。
そこから生まれた考え方です。
とは言うものの不安になる時や凹んでなかなか吹っ切れない時はもちろんあります。
だって人間なんですから、あるのが当たり前ですよね。
現実逃避するのではなく、あくまでも自分を「楽」にしてやるための考え方の1つです。
自分を「楽」にしてやるのは自分にしかできないのですから。

どんな状況でも自分を楽しませてやるには?と考えること。

自分なりにこの方法を考え出せれば人生がもっと楽しくなると思います。
私もまだまだ私自身を強烈に「楽」にしてやるための「必殺技」がなくて困っています。
みなさんはどんな「必殺技」をお持ちですか?


全く違う話になりますが、私が今回の文章の最後の方で「あくまでも・・・」と書きましたが、これを「悪魔でも…」と真剣に書いて論述のテストを提出した人が学生時代にいました。
これも考え方ですが、私は「なるほど!」と思ってしまいました。
みなさんも何かの機会に「悪魔でも…」を使ってみて考えてみてください。
但し、訂正をお忘れなく!
因みにこの人は高校時代からの私の親友なのですが、彼は今、大阪・東京、更に全国区でビジネスを展開している実業家となっています。
それも半端ではなくかなり凄いです。
人の人生は当然ですが「漢字」だけでは解りませんね。
それを目の当たりにしている今日この頃です。


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